〜曳山まにあ・おじゃがの独り言〜 その16
さる方の家の口伝 材木町


材木町ん曳山に宝珠の乗っとったとは皆さん知っとらすて思います。
知らん人でちゃ唐津神祭図ば見たら『ああ!』て思わすやろ。
まぁ、昔は宝珠の乗っとるちゅう話ばってんが実はいっちゃん最初は
浦島さんやったって話らしか。
しかも衣装は唐津藩主の小笠原の殿様のお下がりば着せよったらしかです。
ばってんが明治になって殿様の殿様じゃのうなってからお下がりの
貰われんごてなってえから宝珠に換えたらしかとです。
ばってんが宝珠はよう転がって怪我人の出よったけんが元の浦島さんに
戻したって事やったです。
また、亀さんの尻尾の先の切れとるとは山小屋ば作る時の入口の採寸ば
間違えて入られんやったけんが一日掛かりでノコギリで切ったらしか。
また、亀さんの上に上る為の孔、実は昔、蓋のあったらしか。
ばってんが蓋は必要無かて使いよらんやったら腐れて消失したらしかとです。


材木町の提灯模様の三桝、どこから出てきた模様だろうか?と曳山の
謎の一つだったけど、これで想像つきました。
最後の唐津藩主は小笠原家、三階菱の家紋入りの着物を着ていた浦島太郎。
明治以後、出番復活の時に勝手に三階菱を付ける訳にはいかないので
浦島太郎の着物に三桝の紋を染め抜いてあります。
多分三階菱を展開して重ねた模様って事で三桝にしたのでしょうね。

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